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オランダの真ん中の不思議空間@デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園 [感動!]

2016年ベルギー&オランダ旅行の、オランダ編を紹介中です☆

ツアー5日目は午前中、オッテルローにある「デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園」を訪問しました。
午前中にまず公園内の美術館を見学し、森林エリアをちょこっとだけサイクリングした後、昼食。
最後に国立公園の見どころをやっと見学できました(普通ならこれが一番最初だな…笑)。




ふたたびビジターセンター近くにあった公園の地図に登場してもらいましょう。
「U bevindt zich hier(イマココ)」のマークが付いている場所から、まずは車で北上。
ちょうど真上の端っこにある「Jachthuis」に向かいました。




こちらが「Jachthuis Sint Hubertus(聖ヒューベルトゥス狩猟館)」。
この公園を作ったクレラー夫妻の別荘です。すごく綺麗な建物でした。ちょうど薄日さしてきたし☆
オランダを代表する建築家、ヘンドリックペトゥルス・ベーラーフという人が設計したそうですが、
建築家とか全く知らないもんなあ(^^;

ベーラーフさんは19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍して、
アムステルダム証券取引所(多分昔見たな)の設計が有名なんだそうです。
この狩猟館はベーラーフさんが建物の設計だけでなく、内装、インテリア、建物の周囲も
全てデザインしたのだとか。イギリスにあるカントリーハウスっぽいけど、
中央に塔があるのはベーラーフさんのオリジナルなんだそうです。




ここからはパークレンジャーのヘンクさんがガイドしてくださって、色々な話を聞かせてくれました。
館の名前に付いている聖ヒューベルトゥスは、狩人の守護聖人なんだそうです。
狩猟中、角の間に十字架が浮かび上がった鹿に出会う神秘体験をして聖職者になったんだとか。
狩猟館は現在博物館になっているそうですが、ここの見学はしませんでした。




ということで、遠くから館の写真撮影だけしていたんですが、ちょうどいい感じで
サイクリング中の人たちが通りかかってくれて、欲しい絵が撮れました(・∀・)
(何て行き当たりばったりん。いや、このツアーはずっとそんな感じですけど…笑)




5500ヘクタールという広大な国立公園。その後、見学したのが公園のどの辺りなのかは
定かではないんですが、そんなに移動はしていなかったので、北側エリアだけしか
見てないと思います。公園内には森林、ヒースの荒れ地、沼地、草原、砂地がありますが、
草原や沼地は見学していないので、それは南の方になるのかな。




この辺りはヒース。ヒースって言うと、昔英語の授業で読んだマクベスで魔女が住んでいる荒れ地を
思い出すんですよね。その頃は、どんな場所がイマイチ想像できなかったけど、英国のドラマや
映画を観るようになって、ああ、この荒れ地がヒースだ〜って、やっとわかってうれしかったな(^^)




このヒースに住んでいるのは巨大な犬ではなく、狩猟用にクレラー氏が放した鹿ですけど(^^;
しかし、本物のヒースを見るのは初めてだったので、超うれしかったです☆
ちなみにヒースにも種類があり、ここは乾燥したヒース。公園内には湿地のヒースもあるそうです。
鹿の他にイノシシやオオツノヒツジもいるそうです。残念ながら遭遇できませんでしたが。




こういうのを見ると、人が手を入れて作った空間なのかな〜って思いますよね。




こっちは松かな。何か日本っぽい(・∀・)




ヒースでパークレンジャーのヘンクさんが紹介してくれたのがこの植物。
Reindeer Lichen、日本語だとハナゴケというそうです。Lichen(ライカン)は地衣類の事。
Reindeerはトナカイ。これはトナカイの重要な食べ物なのだそうです。ここの鹿も食べるのかな。




よく見ると、地面にびっしり生えてました。




ヒースは荒れ地って言っても、実際にはこんな風に植物が頑張って生えてるんですね(^^)




そう言えば、ヘンクさん、説明するのにペリッと取ってたけど(しかもヅラにしてみせたりして
お茶目なオッサンだった)むやみに剥がして大丈夫だったんだろうか、と、後で思ったり(^^;




ヒースの中の、ちょっとだけ生えてた緑の草に蝶が止まっていました。
もしかして珍しい種類だったりして? ホームズにもそんなくだりがあったな(・∀・)




この国立公園で一番不思議だったのは、ヒースの隣がこんな砂地だった事。




ここ、本当にオランダの真ん中??(・∀・)??
この写真だけ見ると、アフリカに来ましたでも通じそうだ(笑)




奥の方にインパラでも跳ねてそうですね(何故インパラをチョイス…笑)。
この砂地は正確にはSand Drift、漂砂というものだそうです。動くんですね(・∀・)
ここの漂砂はヨーロッパ最大なんだとか。

ウィキって調べたら、この辺りはフェルウェという丘の尾根で、氷河が作ったモレーンという
地形なんだそうです。地理は中学校程度の知識しかないので詳しくないですが、
元々は砂でできた丘なんだそうです。私はてっきりクレラーさんがどこかから砂を運んで
こさせたんだと、勘違いしてましたよ。ベルギーって、内陸部に人工のビーチ多いから(・∀・;)

フェルウェは沼地に囲まれていて、狩猟用の動物がたくさん生息していた場所だったけど、
人間が森林を伐採して焼き畑したり、干拓してりして乾燥し、ヒースが増えたんだそうです。
そういう元々複雑な環境だった場所をクレラーさんが買って、広大な狩猟場にしたって訳ですね。
ちなみに公園の名前に付いているホーヘは「高い」という意味です。
フェルウェ地域の上の方ってことなのかな。




漂砂で足跡発見! こういう時、どうしてもツアー同行者が写り込んでしまうのが難点(^^;




確かウサギの足跡だったと思うんですが、ヘンクさんに聞いたのもう忘れている(^^;
どんな動物が生息しているのか聞いた時、亀はいますかと聞いたのはよく覚えているんですけど。
その時はいるって言われて、この砂地にリクガメさんがいるのかな〜って思ってたけど、
この公園には湿地も沼地もあるから、きっと水棲ガメの方だろうな(^^;




パークレンジャーのヘンクさんは本当にお茶目な方で、写真用のポーズもばっちり取ってくれました。

この国立公園が「ランドスケープの博物館」って宣伝文句を使っているのは納得です。
湿地の方も見たかったな〜。つか、森林エリアもヘンクさんのガイド付きで回りたかった。
樹木の植生とか、プロの話を聞いてみたかったし、あの動物のオブジェの事も聞きたかった(^^)

ヘンクさんの話で一番不思議だったのは、人間が何も手を加えなければ、
ここはすべて森に飲み込まれてしまうってことでした。
元々の地質が砂地なんだから、砂漠化しそうなのに。森ってすごいな(・∀・)
なので、この不思議な共存空間は人間が管理していて、その為には国の予算だけでは足りず、
入場料を取って維持費をまかなっているんだそうです。

入場料は2016年当時、1日券で大人9.15ユーロだったから、そんなに高くないですけど。
クレラー・ミュラー美術館は別料金で、入館料込だと18.30ユーロ。それでもネズミランドより安い。
まあ、それが安いと感じるか高いと感じるかは、その人の価値観ですけどね。

デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園は、このツアーでなければ絶対訪れる事がない場所だったから、
とても良い経験ができました。ベルギーにも自然保護区はあるけど、こんな規模のは多分ないと
思います(聞いたことがないだけかもですが)。もっと動物見たり、植物見たりしたかったな。
でもそれは、とりあえずは今回のツアーのコンセプトにはなかったですからね(^^;

ツアー5日目、まだまだ旅は続きます♬


[聖ヒューベルトゥス・狩猟館@デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園]


https://www.hogeveluwe.nl/en

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